茨木のり子は大好きな詩人。
「子ども読未知(よみち)」https://kodomoyomiti.themedia.jp/の活動で
今日は、桜井市立図書館で「大人のための朗読会」でした。
わたしが担当した朗読は、茨木のり子。
いくつかの詩を朗読し、彼女の生涯を紹介しました。
夫である「Y」との関係を詩にした「歳月」という詩集が一番好きなのですが、
それはあまりに素敵なので内緒にして・・・。
ここでは、彼女の幼いころの記憶を綴った「女の子のマーチ」をご紹介します。
「女の子のマーチ」
男の子をいじめるのは好き
男の子をキイキイいわせるのは大好き
今日も学校で二郎の頭を殴ってやった
二郎はキャンといって尻尾をまいて逃げてった
二郎の頭は石頭
べんとう箱がへっこんだ
パパはいう お医者のパパはいう
女の子は暴れちゃいけない
からだの中に大事な部屋があるんだから
静かにしておいで やさしくしておいで
そんな部屋どこにあるの
今夜探検してみよう
おばあちゃまは怒る 梅干しばあちゃま
魚をきれいに食べない子は追い出されます
お嫁に行っても三日ともたず返されます
頭と尻尾だけ残し あとはきれいに食べなさい
お嫁になんか行かないから
魚の骸骨みたくない
パン屋のおじさんが叫んでた
強くなった女と靴下 女と靴下ァ
パンかかえ奥さんたちが笑ってた
あったりまえ それにはそれの理由(わけ)があるのよ
あたしも強くなろうっと!
あしたはどの子を泣かせてやろうか
・・・詩集「鎮魂歌」より
昭和元年生まれの茨木のり子の時代は、まだ女の子は女の子らしく、
そんな風潮が当たり前で、それでも彼女は自分らしくに正直に、世の中と対峙しました。
なんともお転婆で、可愛い女の子だったことでしょう。
彼女の生き方、凛とした美しさ、憧れます。
他にも、とても素敵な詩がたくさん残されています。
もちろん何度か「ことばの森」朗読のテキストとしても使いました。
是非、茨木のり子さんの詩に触れてみてください。
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